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耕知塾コラム

  • 耕知塾
  • 2021.11.28

    耕知塾の千田周平です。耕知塾は金町、日暮里にある地域密着の、そして少人数責任指導の集団塾です。

     

    中1英語では例年、秋から冬にかけて過去形を学び始めます。

     

    私は毎日野球をする。 I play baseball every day.
    私は昨日野球をした。 I played baseball yesterday.

     

    うーん。なんと分かりやすいのでしょう。
    現在形の文に対し、動詞にedをつければ過去の意味を出すことができるわけです。

     

    この明白さのせいか、そうではない例外が山ほどあることを知るやいやな、生徒は愕然とします。

     

    私は毎日英語を教える。 I teach English every day.
    私は昨日英語を教えた。 I taught English yesterday.

     

    私は毎日学校へ行く。  I go to school every day.
    私は昨日学校へ行った。 I went to school yesterday.

     

    どうか2、3個の、せめて6、7個の例外であってほしいという願いも儚く、約70個の不規則動詞変化表を配られる生徒の気持ちはどんなものでしょう。何度も声に出し、綴りを書き、頭に叩き込んでいく中で、ちょっと荒ぶった生徒が必ず口にする言葉があります。

     

    「なんで英語を作った奴は最初からedをつけるだけにしなかったのか。バカだなあ。」

     

    確かにその通り、何を思って不規則動詞などというものを作り出したのか。そう思うのも当然でしょう。

     

    しかし言語とは、決して昔の1人の偉人が作り出した超大作というわけではありません。地球上のあちこちで発生したものが、想像できないほど様々な経緯を経て変化し、融合し、改変され、統一され、ようやく現在の形になってきました。

     

    調べてみると、英語の動詞の過去形は、昔は全てが不規則変化だったそうです。いや、というよりも、様々な種類の規則があったと言った方がよいでしょうか。

     

    [規則1]
    begin – began – begun
    drink – drank – drunk
    sing – sang – sung

     

    [規則2]
    grow – grew – grown
    know – knew – known
    throw – threw – thrown

     

     

    そうはいっても様々な規則があるのは不便ということで、少しずつ「edをつける」という1つの規則に集約されていったのでしょう。

     

    しかし、「今日からtake – took – takenではなく、take – taked – takedにします」などと言い出しても、急には変えられません。「『来(く)る』に対して『来(き)た』『来(こ)ない』と不規則なのは海外の人にとって分かりづらいので、今日から『来(く)た』『来(く)ない』にします」などと突然言われても困ります。よく使う言葉なら尚更です。こうして、現代まで英語の過去形は、不規則動詞という名の規則として、残っているものがあるわけです。

     

    というわけで、なかなか大変な不規則動詞の暗記ですが、このようなより良い言語を作り出そうという人類の努力の積み重ねの先にあると思えば、無味乾燥な暗記に少しは色彩が生まれるのかな、なんて思いつつ、機会があればこんな話を生徒たちにできればと思っています。

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