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2024.09.07
耕知塾の白井です。耕知塾は金町、日暮里にある地域密着の、そして少人数責任指導の集団塾です。
二十四節気は本日より白露となり、先日の台風(10号)一過で急に風立ちぬ季節となりました(とはいえ昨日今日と暑さがぶり返していますが)。吹く風の湿度が下がり、日中にはセミがなき(ミンミンよりツクツク多め)、夜にはマツムシがないている、という謎の移行期間ではありますが、少しずつ季節は一応秋らしくなっているように感じます。
そして夏期講習は、お子達の頑張りとともに全日程を無事に終了いたしました。白井は耕知塾に入ってから初の理系科目のみ日程となったため、普段とはちがったお子達の頭の動きを知る良い機会を得ることができました。
そして、この暑すぎる夏期講習は「クールビズ的日替わり自作アロハ」で過ごしてみたのですがいかがでしたでしょうか。画像は左から月~土の順に着まわしていた実際のアロハです。すべて自作。15年位前に型紙から描いて作りました。直線ばかりで縫いやすいので「自由研究にどうよ」と生徒たちに勧めたのですが、採用してもらえませんでした。ボタンホールが大変ならば、前の合わせをマジックテープにすれば、小さな子でも腕周りに動作の不自由があっても着やすいアロハができそうな気がするのですが、だめだったようです。残念。
そんな夏期講習中、中3が地震の復習を終えて間もない8月8日木曜日16時42分、宮崎県南部で日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生しました。まだ記憶に新しいことと思います。
あの時(宮崎県沖地震発生後)、気象庁は同日午後7時15分に南海トラフ地震が発生する可能性が平常時より高まっているとして、南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」を出しました。これは、「臨時情報の制度ができた2017年以来、初の「注意」で、1週間程度継続されました。
今回の「巨大地震注意」は、「この宮崎県沖地震を引き金に、南海トラフ地震が発生するかもしれません。そしてもし発生したとしたら『巨大地震』になる可能性がきわめて高いので『注意』しましょう」というニュアンスの情報だったはずなのですが、「『巨大地震』が必ず来る(←ここが勘違い)ので『注意』」というように勘違いされてしまったようでした。
これは「一般的に使用されている言葉のに対して我々が持っているイメージと、役所(気象庁)が定義している言葉の表すものが違った」というよくある事例の一つでしかなかったのですが、ことが巨大地震という災害に関わる内容なだけに、非常に曲解され、また誇大化されて広がった印象です。
日本に住んでいる限り、地震は常におこるものです。しかも世界に十数枚しかないプレートの4枚が重なる日本においては、地震は災害に直結しやすいものでもあります。そこに恐怖があることも事実でしょう。ですが、表向きの言葉の強さやインパクト、自分が思い込んでしまっている言葉のイメージだけで発表された情報を判断してしまうのはちょっと危険です(SSRガチャ、今なら確率2倍! を必ず当たる、とは勘違いしない(人が多そう)なのに、地震となると簡単に惑わされてしまうようです。不思議ですね)。
ということで、役所からの発表だけでなく、見かけた言葉に驚いたり、腹が立ったり、不思議に思ったり、悲しくなったりしたときは、発信者がその言葉をどういう意味(事象・感情なども含めて)で使っているのかを、ちょっと考える時間をとってみませんか。
自分が言葉に持っているイメージは、ちゃんと相手と同じなのか違うのか、違うとしたらそこにどんな違いがあるのか、相手は何を伝えようとしてその言葉を使ったのか、物事の本質を見極めるにもしっかりとした共通認識を持つことが大切です。
文章を読み、使われた言葉のつながりから言葉が表すこと、筆者の伝えたいことを的確に読み取って、それを同じ使い方の言葉でまとめて解答(返事を)する。これは国語だけでなく、メールでもチャットでも手紙でもSNSでも、ひとから何かを受け取ったり伝えたりするためには、決して忘れてはならない要素です。
今回の地震を機に、一度言葉の使い方やそれが持つ意味や人が抱いているイメージなどを考え直してみるのもよいかもしれません。