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2021.06.14
耕知塾の白井です。耕知塾は金町、日暮里にある地域密着の、そして少人数責任指導の集団塾です。
一学期の期末試験対策が始まりました。以前のコラムでお話ししたとおり、今年度(令和3年)より改訂学習指導要領(平成29年3月告示)が全面的に実施され、生徒の成績評価方法が大幅に変わっています。進路決定に重要な役割を果たす内申点の中でも、主要五教科と異なり、年に3回しかない貴重な試験で結果を出すしかない技能4教科は(もちろん日々の授業も大切ですが)、ここが踏ん張り時。先週末の定期テスト対策講座にもたくさんの生徒がそれぞれの課題に取り組みに来ていました。今週末も講師全員全力でお待ちしています。
さて、勉強というのはおもしろいもので、植物を育てて収穫を得る行為に似ているところがあるように思います。どんなに多くの種をまき(知識を得)、良い肥料をたっぷり与え(学びのコツを知っ)たところで、受け入れる土壌(本人の体調や学びに向き合う精神状態、取り巻く環境)が耕され整った状態でなければ収穫を得る、どころか発芽すらままならないかもしれません。頭と心の状態を土地に例えてみます。
学校へ行ったり塾へ行ったりしていても、授業時間をどうにか過ごしきることしか考えていない頭は、アスファルトの道路のようなもの。どんなに良い種が落ちてもアスファルトの上では芽が出ません。せっかくの知識も忘れるどころか、頭に入ってきていない状態です。
簡単なところをやっているときは集中できていても、ちょっと難しいことがあるとあきらめてしまう頭は、砂利だらけの未舗装道路のようなもの。良い種を受け取り芽を出すところまでは頑張れますが、ちょっと大きな石に引っかかると根が伸ばせなかったり、雨水がたまって水につかってしまったりすると成長できずに枯れてしまいます。せっかく覚えた基本が使いこなせないまま、演習に飽きてやがて忘れてしまいます。
テストが終わったら、成績が出たらご褒美があるからと頑張っている頭は、春先など葉の少ない時期の植え込みのようなもの。確かに土がありますから発芽こそできますが、夏が近づき先に育っている植え込みの葉が生い茂るようになってしまえば、発芽したばかりの芽は光合成が出来なくなり、やがて枯れてしまいます。範囲の狭い定期テストをどうにかしのいだだけで、その後をゲームやアニメ、アイドルや鉄など、好きなことで頭をいっぱいにしてしまうため、せっかく手に入れた知識は本当の実力になりません。よって範囲の広い実力テストになると力が発揮できず、成績は伸び悩んでしまいます。
つまり、きちんと耕され整った耕作地にまかれてこそ、種は芽を出し、肥料と水はその力を発揮することができるのです。そしてきちんと整備され、種を待つ土地にまかれた種であっても。すぐに収穫することはできません。良い生育状況を維持しながら収穫の時期を待つことも必要です。新しいことを知っても、それを自分のものとして使いこなせるようにするのは非常に時間のかかることです。学び(新しいことを知り)、練習し(正しく努力し)、食べ(栄養を取り)、眠る(休養する)。スポーツや楽器の練習、筋トレやダイエットなどにもいえることですね。一朝一夕にうまく行くものではありません。
ローマは一日にして成らず。千里の道も一歩から。日々の確実な手入れや適切な肥料、水やりがあってこその結果と考え、毎日決まった勉強時間に予習復習をしっかりと。年度末に揃って良い結果を迎えられるよう今から準備していきましょう。