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耕知塾コラム

  • 耕知塾
  • 2022.08.27

    耕知塾の白井です。耕知塾は金町、日暮里にある地域密着の、そして少人数責任指導の集団塾です。

     

    コロナ禍での夏期講習も3度目を迎え、人との間に物理的な距離を置くことが当たり前のようになってしまって久しいこのごろです。

     

     

    今回の夏期講習では久しぶりに理科を担当していたため、35年前に自分が使った理科のノートを引っ張り出してきました。板書をただ写しただけのこのノート、開けば当時の授業がありありと思い出せる……わけではなく、作らされた恐怖(本当におっかない先生だったのです)のほうが先行する、トラウマノートですが、35年経っても現役と向こうを張れるノートです。ことあるごとに引っ張り出しては頼みにしています。

     

     

    板書を見、自分の文字と絵や図に変え、それをノートに配置しなおす作業は、簡単にできそうに思えますが、結構コツがいります。今年も夏期講習Ⅰ期には、板書を写しきれない生徒が出てしまいました。

    その姿を見るたびに自分の説明が悪いのか、それとも板書のやり方が悪いのかと日々思い悩んだりもしましたが、アプローチの方向を変えて伝える内容を絞ったり、説明の言葉を選びなおしたり、図の一部をノートへ貼れるように準備などしたところ、最後の方には結構ついてきてくれるようになりました。

    書き終えたぞ、と顔を上げるペースが日に日に早くなっていく彼ら彼女らの成長速度には本当に驚かされるばかりです。この経験をぜひ2学期、学校での授業にも活かして欲しいと思います。

     

     

    教える自分の方にとっても、久しぶりの理科はよい経験になりました。教える内容こそ35年前と同じですが、教え方・伝え方はずっと同じままにするのではなく、変わりゆく生活習慣や環境、また相手によって変化させていくことで、もっと分かりやすくなることを確認できたように思います。

    自分にとって当たり前と思っていたこと、良かれと思ってやったことが通用しなかったり、今まで通用してきたやり方で分からないという表情をされるたび、何といえば、どうすれば通じるのかを、試行錯誤していくのは苦しいながらも楽しいものでした。

    さすがに35年後にも見返せるようなノートを……とまでは言いませんが、せめてテストや受験の間際、見返すだけで安心できるような補助ノートを作れる板書を今後も心掛けていきたいところです。

     

     

    アプローチの仕方と言えば、お盆休み中に「デイリー新潮」のネットに「今の若者に『絶対かけてはいけない言葉』3選 褒めることすらNGな理由とは」という記事を見かけて大変興味深く読み、つられて筆者である金間大介金沢大学融合研究域融合科学系教授が出された「先生、どうか皆の前でほめないでください」という本まで買ってしまいました。まだ途中ですが実に興味深くおもしろく読んでいます。

    世代差って難しいですが、そのギャップを越え、いい感じに伝わる何かが掴めたときに生じる楽しさを大切にしていきたいと思います。

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