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2023.01.22
耕知塾の千田周平です。耕知塾は金町、日暮里にある地域密着の、そして少人数責任指導の集団塾です。
先週は、小池先生が過去問をやる意義について書いてくださいました。今日の話題も過去問です。
過去問研究は、志望校合格のために生徒それぞれがしなければならないものですが、当然、講師も研究します。今日は、講師の過去問研究の本気をお見せしましょう。
対象は、タイトルにもある通り、都立入試国語の大問 1 2の漢字(計20点分)です。
いきなり素朴な質問をします。
Q. 過去に出題された漢字が再び出題されることはあるか? ないか?
普通に過去問を眺めていても、これは分かりません。
しかし、20年分、30年分の過去問研究をしていくと、傾向がはっきりわかります。
質問の答えは、
「あります」
もっと言うと、
「めちゃくちゃあります」
ある程度有名な話ですが、知っていましたか?
例を挙げましょう。
2019年 1 読み
(3) 新緑の渓谷を眺めながら川下りを楽しむ。
【1997、2005年に続いて3度目】
2020年 1 読み
(4) 鑑賞教室終了後、オーケストラの美しい演奏の余韻に浸る。
【1993、2004年に続いて3度目】
2021年 2 書き
(1) 私の住む町は起伏にトんだ道が多い。
【1995、2014に続いて3度目】
(4) バスのシャソウから見える景色が流れていく。
【2015に続いて2度目】
※出題回数は、平成に入ってから数えています。それ以前はデータ不足のため分かりません。
過去30年間で見ると、2度も3度も同じ漢字が出題されることが頻繁にあるのです。6、7年前に出題されたものが再び登場することもあります。
同じような例文だけど、別の部分を出題するということもあります。例えば、
1995年 2(3) ヒタイの汗をぬぐいながら、山頂を目指す。
2016年 1(1) 額の汗を拭いながら、山道を歩く。
これは「漢字の部分だけでなく、例文全体を勉強してね」という、出題者からのメッセージと言えるでしょう。
その証拠に、こんなこともあります。
2009年 2(2) 高原の牧場で、新鮮なギュウニュウを飲む。
2016年 2(2) 高原の牧場でニュウギュウが草をはむ。
さらに衝撃的なのは、こんなパターン。
2001年 1(5) 三年間の学校生活を顧みて、卒業文集の原稿を書く。
2010年 1(5) 三年間の学校生活を顧みて、卒業文集の原稿を書く。
なんと、全く同じ例文で出題されました。
もちろんこれは、通常生徒が手にする7年間程度の過去問集では分かりません。20年、30年と過去問研究を重ねて初めて分かることです。ここは講師の出番といえます。
ここまで分かれば、過去問題で分からないところは徹底的に練習しておくべきと思うでしょう。
塾生には、市販の問題集では載ってない過去問題もお渡ししています。何回も練習してくださいね。
都立一般入試本番までいよいよあと1か月。受験生の皆さん、最後まで頑張りましょう。