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2023.03.21
耕知塾の千田周平です。耕知塾は金町、日暮里にある地域密着の、そして少人数責任指導の集団塾です。
さて、以下の計算を「暗算で」してください。
\[ 921-689 \]
暗算と聞いて、あきらめた方もいるでしょうか?
多くの方は、こんな3ケタのひき算は筆算しますよね。暗算は大変そうです。ですが、頑張ってみてください。
色々なやり方がありますが、この問題であれば、私個人的に一番センスを感じる生徒の解答は、
「200+21+11で232」
というものです。
ひき算なのに、たし算で答えを出すところが特徴的ですよね。
この生徒にセンスを感じるのは、引き算に対して「距離=差を出すものだ」というイメージを持てていることです。
この生徒は、921-689という引き算を見たときに、意識的にせよ無意識にせよ、「標高921mの山と689mの山の高さの差はどれくらいだろうか」みたいなイメージを持つことができています。
だから、689mからまず11m上ると700mで、そこから200m上って900mにまでたどり着き、あと21mで921m。だから、11+200+21で232、のような暗算ができます。
今回わざわざこのような計算を取り上げたのは、このような「計算をイメージする力」は、後々の学力に影響を与えるように思えるからです。
たとえば、中1で文字式を計算すると、こんなものが出てきますよね。
\[ (2x-3)-(3x-4) \]
この計算をするときに、どんなにルールを教えて練習しても、
\( (2x-3)-(3x-4) \)
\( =2x-3-3x-4 \)
\( =-x-7 \)と間違えて計算してしまう子がいる一方、
\( (2x-3)-(3x-4) \)
\( =2x-3-3x+4 \)
\( =-x+1 \)と、すんなりできる子もいます。そんな子に対しては、つい「センスあるね」という言葉で片づけてしまいがちですが、一体こういった「センス」はどこから来ているのでしょうか。
今回の問題でいうとこの違いは、上述の、引き算とは「距離=差を出すものだ」というイメージを持てているかどうか、あたりからつながって来ているように思えます。
そのイメージを持てている生徒は、\( -(-4) \) のように負の数を引くときに、引き算だけど正の数に反転することを感覚的に受け入れることができるのでしょう。
耕知塾は、小学生から高校受験を見据える「小学レギュラ―コース」に力を入れています。
講師として、小学生の頃から高校受験につながるようなセンスを身に着けてあげられるよう、日々努力していきます。