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2023.02.18
皆さん、耕知塾の大澤です。耕知塾は、金町・日暮里にある地域密着の、そして少人数責任指導の集団塾です。
私は昨年11月から耕知塾で働いているのですが、初めの頃の研修で、葛飾北斎の伝記を扱った授業を見学したことがありました。5年生の国語のクラスで、子供たちは元気いっぱい。中には勉強以外のことばかり気になってしまう子もいます。若い頃のまだ売れていない北斎が、当時の出版界の大物である蔦屋重三郎の過大な報酬に込めた思いに心を打たれ、寝る間も惜しんで制作に打ち込むようになるという下りで、音読していた子供の読み方が興奮のためか少し早くなったのを見て、子供たちはこういうサクセスストーリーがやっぱり好きなんだな、とその時は思いました。
それから何ヶ月が過ぎ、その5年生の国語の授業を私が今受け持っています。北斎の伝記の音読が心なし駆け足になったA君は、少し勉強で壁にぶつかっているようでした。中々勉強に向き合えず、気が散って他の子に話しかけたりしてしまいます。
「映像研に手を出すな!」という漫画をご存知でしょうか?女子高生3人が、恋もせずひたすらアニメ制作に打ち込む話です。私はそれを見て、本当は皆こんな風にバカみたいに何かに打ち込みたくて、でもそれができずに苦しくて、だからこそ彼女たちが輝いて見えるんだなと思った記憶があります。
A君も本当は寝る間を惜しんで絵を描く北斎みたいに没頭したいし、それは勉強も同じはずなんです。それを思いながら「できない」を突きつけられる日常は、過酷です。
学校や親がやれと言う勉強は、つまらないし苦しい。でもその中に実は宝があるのだということを私はこれからA君と一緒に見つけて行けたらと思っています。そして北斎のように、映像研の女の子達のように、答えを追い求めて没頭する楽しさ、喜びを一緒に味わえたらと、思っています。