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2019.11.11
皆さん、耕知塾の小池です。耕知塾は金町、日暮里にある地域密着の、そして少人数責任指導の集団塾です。
【小さな哲学者の格言ノート】No.1
「心は正しい目標を欠くと、偽りの目標にはけ口を向ける。」
―モンテーニュ『エセ―』(一)岩波文庫、39ページ先日、佐藤先生が2学期の中間テストで点数が上がった生徒について書いてくれましたので、今回は、逆に点数が上がらなかった生徒について書こうと思います。
テストで点数が上がらなかった生徒たちと面談をしていると、必ず同じことを言います。それは「〇〇時間も勉強したんですけど…点数が上がりませんでした」というセリフです。「〇〇時間も」という生徒は、確かにかなりの時間を費やして勉強をしています。ですが、集中はしていません。
なぜでしょうか―それは、テストで点数をとるという意識が弱いからです。
ワークや教科書を何ページやったとか、何時間勉強したとか、こうしたことはテスト勉強の「正しい目標」ではありません。(テスト勉強の)「正しい目標」は、あくまでテストで点をとることです。
テストで点をとること=「正しい目標」は、自分の頭で考えて、行動を工夫する必要があります。これは、やったことがないと、とてもエネルギーがかかります。一方で、ワークや教科書を何ページやったとか、何時間勉強したという「偽りの目標」は何も考える必要がなく、ただ与えられたことをこなせばよい。その意味で、とても楽なのです。
もうすぐ2学期の期末テストがあります。中間テストで点数が上がらなかった生徒は、今度は「正しい目標」(テストで点をとること)を見失わず、「正しい目標」をクリアするために、何をすればよいのかを考えて、テスト勉強をしてみてください。
*ミシェル・ド・モンテーニュ(Michel Eyquem de Montaigne)は16世紀フランスを代表する哲学者。『エセー』は邦訳では『随想録(ずいそうろく)』と呼ばれ、人間の生き方を探求して書かれました。
引用のコトバは「「正しい目標」をクリアすることは大変なので、人は「偽りの目標」(楽な目標)を作って、それを逃げ道にする」という意味です。