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  • 耕知塾
  • 2022.05.16

    皆さん、耕知塾のハガキこと野々垣(ノノガキ)です。耕知塾は金町、日暮里にある地域密着型の、そして少人数責任指導の集団塾です。突然ですが、今回のタイトル「究極の算数問題」。そんな問題あるの?と思う方もいるかもしれません。しかし、塾講師歴18年。長い間指導させて頂いているうちに、そう名付ける問題がでてきました。今回は、そのうちの1つをご紹介したいと思います。今回のテーマは、「究極の割合」です。

    ただ、その前に突然ですがクイズです。この3問の中で「究極の算数」として野々垣が選んだ問題は次の3題のうち、どれでしょう?

    Q1:電車に104人が乗っています。これは、この電車の定員の1.3倍にあたります。定員は何人ですか。

    Q2:靴下とシャツの代金の合計は1960円です。シャツの値段は、靴下の2.5倍にあたります。シャツはいくらか。

    Q3:2500円で仕入れたセーターに、60%の利益を見込んで定価をつけた。その後、そのセーターを定価の25%引きで売った。利益はいくらか。

    ※解答は、このコラムのどこかに。

    もちろん、3問とも割合においてとても大事な問題です。しかし、この3問のうち、「究極」と呼べる算数問題は、「Q2」のみです。えー、Q3が究極と思った方、いませんか?生徒にとって大事な問題は、圧倒的にQ3よりQ2です。なぜなら「Q2」こそが、多くのパターン問題の中に隠れた、生徒に「真の理解」を求める問題だからです。それでは解説です。

    (解説)そもそも割合とは、もとにする量を見つけ、それを基準(つまり1)として考えるもの。今回のQ2の基準は靴下。よって、シャツの値段は2.5(倍)に該当。故に1960円は靴下とシャツの合計だから割合としては1+2.5=3.5(倍)にあたる。よって、基準である靴下の値段は1960÷3.5=560円となり、次いでシャツの値段は560×2.5より1400円(1960-560=1400でも可)となる。

    この解説を読んでQ2は「なるほど、さすがに究極だ」、と思った方はどれ位いらっしゃるでしょうか。正直、それ程多くはないと思います。それもそのはず。実は、これは普段から、多くの算数の問題に触れている者にしかわからない世界だからです。つまり、Q1とQ3は割合の問題としては、定番。よくある問題なのです。しかし、Q2は決して定番ではありません。理由は1960円が合計であるため。子ども達に、この問題を解かせると、答えを1960÷2.5=784円、あるいは1960-784=1176円とする生徒が続出します。では、なぜそうなるのか。これは、Q1やQ3と比べれば明らかです。Q1は104÷1.3=80と、問題文にある数字のみで答えを導き出せます。Q3も難しく見えますが、問題文にある数字を加工せず解けるのはQ1と同様です。しかし、Q2はそうは問屋が卸しません。Q2は、問題文にある2.5が今回の割合ではなく、3.5が割合であることを見抜かなければならないのです。

    話は突然変わりますが、昨今、教育業界もAIがひとつのブームになっています。私自身、AIに脅威を感じない、といったら嘘になります。多くの蓄積されたデーターをもとに、AIが生徒1人1人に応じた最適な問題を提供する、確かにすごいです。でも、今回のような問題の目利きはAIにできるのかな、とも思います。今回、私が選んだ問題も多くの割合問題の中でふらっとまぎれこんできた一見普通の問題です。私自身、また耕知塾としても算数、数学において「究極の」と呼べる問題を普段から意識し、かき集めております。こういうかき集めてきた「奥の深い問題をしっかり演習」する事で「生徒の頭が主役‼」、この大方針を実現したい。耕知塾ではそんな風に考え、日々、授業の向上に邁進しています。どうぞよろしくお願い致します。※解答 Q3の答えは500円

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