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  • 耕知塾
  • 2022.06.25

     皆さん、耕知塾の小池です。耕知塾は金町、日暮里にある地域密着の、そして少人数責任指導の集団塾です。


    【小さな哲学者の格言ノート No.11】
    「知者はこれに過ぎ、愚者は及ばず。(頭のよい者は何ごともやり過ぎてしまうし、愚かな者は何ごともやり足りずに終ってしまう。)」
     ―『中庸』


     受験英語の「基本」とは何でしょうか―。
     改めて言うほどのことでもありませんが、それは「単語と文法」です。すると、当然(高校受験を見据えた場合の)小学英語の「基本」も「単語と文法」になるはずですね。


     小学校で英語が教科化されてから、はや2年が経ちました。現在小学校では「単語と文法」ではなく、「会話表現」を中心に授業が行われています。
     そのおかげでしょうか、中1の途中から入塾してくる生徒たちの多くが、大文字と小文字の区別ができずに「単語」を覚えたがらなかったり、小学校時に「会話表現」を優先していたために「文法」を否定的に考えたりする傾向があるように思います。


     以前ならば、英語という科目は、中学校から挽回可能な科目でしたが、現在では算数と数学の関係のように、小学校の時に「単語と文法」ができていないと、中学校でもそのままできない状態が続く科目になってしまいました。


     では、こうした事態に対して、各塾では小学英語をどう扱っているのでしょうか。
     それは大きく分けて、以下の2つのパターンになります。


    ①小学校に準拠したかたちで、4技能(特に「会話表現」)を扱うパターン。
    ②中学英語への橋渡しとして扱うパターン。


     一般的に、大手塾は①のパターン、中小塾は②のパターンになります。
     今回は②のパターンについて見ていきたいと思います。
     興味深いことに②のパターンは、さらに「単語」重視派と「文法」重視派に分けることができます。
     「単語」重視派は、高校受験までに覚えるべき単語の量が1200語から2500語に増えたことを理由に、「単語」力の強化の必要性を訴えています。「単語」力さえあれば、「文法」は推測できるというのが彼らの主張です。
     昔、覚えた英語辞書のページを食べるという勉強法がありましたが、この種の勉強法には、「何でも覚えることが良い」という勉強に対する考え方が根っこにあるわけですが、「単語」重視派はこうした考え方の上に立っているのです。
     一方「文法」重視派は、小学生のうちは、本格的な「文法」ではなく、語順や意味順を強調します。「単語」重視派とは逆に、語順や意味順さえわかれば、「単語」は推測できると主張します。
     「文法」重視派は、「単語」重視派のような「何でも覚えることが良い」という考え方に対する反発から、表面的には「覚える」ことに対する「考える」ことを重視します。


     さて、こうした「単語」重視派と「文法」重視派は、一見正反対の立場に見えます。ところが、実際には、その発想はまったく同じところから出ているのです。
     その発想とは、「1つのやり方でできる」というものです。
     例えば、「音読するだけで英語ができるようになる」とか「聞き流すだけで英語ができるようになる」とかいった、「1つのやり方でできる」系の英語教育は昔からありました。上述の「単語」重視派と「文法」重視派も、発想としては、そうした「1つのやり方でできる」系のバリエーションのひとつに過ぎなかったというわけです。
     残念ながら、新たな「1つのやり方でできる」系の英語教育が出ては消え、出ては消えの歴史を繰り返しているように(そういえば、昔「スピードラーニング」という英語教材がありましたが、いつの間にかなくなってしまいましたね)、「1つやり方でできる」で英語ができるようになることなどありえません。


     では、かく言う耕知塾の小学英語はどうなのかというと、もちろん高校受験に向けた本格的な「単語と文法」を授業で扱っていますので、耕知塾生は安心してくださいね。
     何ごとも「中庸」が大切ということです。

     


    *『中庸』とは、孔子を祖とする儒教の四書(『論語』、『孟子』、『大学』、『中庸』)のひとつ。または「過不足なく、偏りがない」という意味の概念のこと。

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