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  • 耕知塾
  • 2021.04.24

    耕知塾の千田周平です。耕知塾は金町、日暮里にある地域密着の、そして少人数責任指導の集団塾です。

     

    改めまして、この春より耕知塾で講師を務めております、千田周平です。所属は日暮里教室です。どうぞよろしくお願いします。

     

    初投稿ですので、中学の時のとある授業にまつわる思い出を1つご紹介し、自己紹介代わりとさせていただきます。

     

    教科は「社会」、内容から考えてあれは中学3年生の今頃のことだったでしょう。テーマは日本国憲法についてでした。授業の内容は正直覚えていませんが、授業の最後に先生(その先生は、クラス担任でもあった女性の先生でした。以下K先生としましょう)がこのように言ったのです。

     

    K先生「次回までに、この日本国憲法の前文をすべて覚えてきてください。テストするので。」

     

    日本国憲法の前文。大人の方であれば、少しは記憶にあるのではないでしょうか。以下のような600字を超える文章のことです(ネットで検索すればすぐ出てくるので、もし良ければ改めて全文読んでみてください)。

     


    日本国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、…

     

     (中略)

     

    …日本国民は、国家の名誉にかけて、全力をあげて崇高な理想と目的を達成することを誓う。


     

    テスト予告された時、クラスでも色々質問がでました。その時のK先生の返答が今でも忘れられません。

     

    A君 「先生、どこを覚えればよいですか?」

    K先生「全部です。」

    Bさん「どんな形式のテストですか?」

    K先生「白紙を配って、全部書いてもらうだけだから。」

     

    後日談ですが、クラスの友達によれば、「あればどう考えてもK先生は冗談で「白紙を配る」と言っていたのだ」そうですが、当時の私はなぜか真に受けました。「やってやる」という気持ちもあったかもしれません。

     

    しかし、部活もあり塾もありという忙しい中学校生活の中、日本国憲法の前文を丸暗記という課題は、やはりハードルが高いものでした。人はハードルが高すぎると、逆に手を付けられないものです。ついに、何もしないまま前日になってしまいました。しかし、何もしないまま明日を迎えるわけにはいきません。前日夜から、徹夜で暗記する作業を開始しました。

     

    やることは単純。とにかくこの600字超の文章を暗記すること。最初は色んな方法で暗記を試みたのですが、いかんせん中学生には簡単に理解できる文章ではありませんから、作業は難航します。「協和」とか「恵沢」とか、難しい言葉も沢山あります。そこで最終的には「声に出して読む」という戦略に落ち着くことになります。意味は分からなくても、声に出して読むことはできたからです。とにかく何回も何回も声に出して読みました。

     

    この戦略はハマりました。これは、知らない歌の歌詞を覚えることに近い作業でした。「君が代」を歌うときにいちいち「さざれ石とは何か」なんて考えなくても歌えるように、頭には入らなくても、口は覚えていきます。算数でいうとかけ算九九とか、英語でいうと不規則動詞の暗記も、これに該当するものでしょう。

     

    さて、何回も声に出して暗記すること数時間、おおよそ全体を言えるようになり、書けるようにもなっていきます。しかしどうしても完全に覚えるまでにはいきません。何しろ口が覚えているだけで、意味が分かっているわけではないので、文脈を無視して段落を飛ばしてしまったり、文の順序が入れ替わってしまうのです。

     

    いよいよ夜が明け始めた頃、どうやったら完全に覚えられるかを改めて考えた挙句、遂に「意味」を考えるようになります。改めて意味を考えながら読んでみると、「われらとわれらの子孫のために、…再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、…」とか「われらは、…国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。…」とか、うっすらとではありますが、戦後日本の決意のイメージみたいなものが浮かんできたのを覚えています。

    その過程を経て、ついに、全てを何も見ずに言えるようになりました。登校中も何とか忘れないようにしながら社会の授業を迎えました。

     

    しかしこの話は、いざテストを迎えてみると、「白紙の紙」どころか「ただの単語レベルの穴埋め」のテストで拍子抜けしてしまった、というオチで終わります。

     


     

    この経験から私が得たものは何か。それは、「自分が本当に本気を出せば、ここまでできる」という本物の「やればできる」という感覚でした。

     

    あの夜の私は、確かに本気でした。この感覚が、高校・大学・社会人と、後々の私の武器となったことは言うまでもありません。

     

    人は、本気を出す経験をすることは、意外と少ないものです。どこかで手を抜いています。しかしたった一度の人生、幸運にも人間として生まれ、手にすることができたこの頭を本気で使う。この先、そんな経験を少しでも多く、生徒と一緒にしていきたいと思っています。

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